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楊業一家+呼延賛+遼の父子
→ 楊業宅で、花火見物。
長男延平が、冷酒とか冷しアメとかお給仕。
蚊やりも焚いています。気遣いの人です。二郎や五郎なんかは花火に興味ないので、そのお酒とかおつまみとか抱えて、室内の畳に胡坐をかいています。
寇準も、別に招待はされていないのですが、ちゃっかり来ていて、同じく室内で王貴と碁を打っています。八王様なんかも、後からやって来そうです。
で、広々と開かれた縁台。
右側に楊業一家と呼延賛、左側に休哥と石幻果。
1、呼延賛
(明るい黄色の生地に、乱菊。帯はブルー。下ろしたて)
楊業に見て欲しくて、用意したおニューの浴衣なのですが。
自宅での花火見物ゆえ、楊業の隣にはどっしりと奥さんの余賽花(当て字)が腰を据えています。なので、呼延賛はおずおずと端っこに。隣に、六郎七郎が付き添っています。
余賽花からすれば、夫の二号さんなのか息子の嫁(?)候補なのか、どっちなのかしら、という印象。―――楊業の妻ですので、夫の情人については既に慣れっこになっています。
2、耶律休哥
(濃い藍色の浴衣。細かな縞模様。格子でも可。上品というより粋な仕立て。すぅっと伸びた襟足が綺麗! 帯も黒く見えるほど濃い藍無地で、ただ雪駄の鼻緒だけが、眼の覚めるような赤。足首も綺麗! 見立ても着付けも石幻果)
割と一生懸命、花火を見ています。
ただ、頭の中では「あれなら戦の合図に使える」とか「むしろ眼晦ましか?」とか、そんなことを考えています。見える距離とか響く音との関係とか、色々計算しながら一心不乱に花火の戦場利用を検討しています。
石幻果、そんな“父”に微笑みながら付き合って。
花火終わって楊業宅を辞しての帰り道、仕舞いかけの屋台で、売れ残りの杏アメを二本、買って。一緒に食べながら夜道を帰ります。
宋禁軍
→ 宋によって用意されている豪勢な桟敷は使用せず、川原で童貫麾下のメンバー(趙安含む)だけ集まって、祭のお囃子を背景に納涼会。
3、童貫
(黒地の浴衣。帯も生地だけ変えて、黒。ただし、帯締は白。また、ひっそりと、あまり目立たぬ程度に袖や裾に白く藤の花房模様が抜いてある。畢勝の見立てで、着付けは侯蒙)
冷えたラムネ、西瓜、弁当や、手遊び用の線香花火やネズミ花火。
(アルコール類は、(一応)公式行事の一次会が終わるまで禁止)
持ち寄りのお弁当を平らげた後、更にバケツに山ほど冷やした飲み物や軽食を競うように貪りつつ、花火に火をつけ騒いでいる。
岳飛や畢勝らを眺めながら、童貫は「若いな」と感慨深げな眼をして、侯蒙と腰を下ろしています。グラスに綺麗に注ぎ分けられたラムネを飲みながら。
最後に、つと袂を押さえて、線香花火をやります。
※ これ以降、ちょっと裏要素が混じります!
魏
→ 会社(魏)の用意した高級ホテル最上階のホールで、シャンパンを酌み交わし、笑いさんざめきつつ花火見物。もちろん、社長(曹操)命令で、皆スーツではなく浴衣姿。
4、張遼
(蒼とより濃い蒼との矢絣。すっきりとした感じ。帯は淡い藤紫で。柾目の通った木下駄で、足もと涼しげ)
会社の企画に合わせ、きちんと浴衣を着てきたのはいいけれど、ホテルの空調が利き過ぎていて、寒くなってしまって。テラスのガラス室へ入って、シャンパングラス片手に南洋植物を見物。
黒いぐらいに熱帯の緑が生い茂っていて、花火はほとんど見えない。密室状態。そこへ、同じくグラス片手に夏侯惇が追って来て……。
木陰で、立ったまま睦み合っていたらいいです。
甘い南国の花の香りと、むせ返るほどに濃い緑の気配の下で。
最中、下駄をどっかに飛ばしてしまって、帰り、夏侯惇の背中に負ぶわれていれば尚いいです。
暗い中でけつまずいて、と言い訳はしますが、上気した鮮やかな彩りを頬からなめらかな首筋にかけて、ひと刷毛した張遼の姿に、誰もそんな言葉信じません。特に社長(曹操)には、盛んにからかわれてしまいます。
梁山泊
→ 盆踊りと夜店の会場で、そぞろ歩き。
5、呼延灼
(白地に、ぱあっと一面、朝顔を染め抜いた爽やかな浴衣。団扇もって)
夏祭りなんてあんまり興味ない、と見せかけつつ、実は凄く凄くお祭愉しみにしていました。浴衣も新調。
ゆっくり花火見物して、やぐら下の盆踊りも眺めて。ちょっとぐらいは加わって、それから韓滔、彭己と一緒に夜店をひやかす。射的やって、コリントボールやって、それからイカ焼き、焼きソバ、フランクフルト etc ! 後はクレープにしようか、綿菓子にしようか、チョコバナナにしようか……ってたくさん考えて、わくわくしていました。
なのに、真新しい清涼感のある彼の浴衣姿に、関勝、どきどきしちゃって。手を伸ばしてきますよ。
で、欲情されて満更でもない呼延灼、自分もちょっとどきどきしながら、キスだけなら……ってことで、よせばいいのに神社の木陰へ。
当然、キスだけでは終わりません。
思いっきり長いディープ・キスで、腰砕けにされて。浴衣が汚れるし一人では着れないから(韓滔に着付けてもらった)ダメ、と浮わ言みたいに拒絶するんだけど、汚さぬから、ということで、浴衣の裾を捲られて、立ったまま繋がって。
それでも足りなくて(この頃には呼延灼も我を忘れています)、社の中で、花火の音が上がっている間中、ぎしぎしと。
当然、浴衣はでろでろのどろどろで、乱れまくり。
呼延灼、完全に腰抜け状態。
花火も盆踊りも、終わってしまっているし!
こんな形では屋台だってとんでもない―――というか、どうやって宿舎に帰るんだ、これ!
こンの大嘘吐き! って怒って呼延灼、敷布代わりになってる浴衣に坐ったまんま、関勝を蹴飛ばすんですが。甘んじて受けた関勝より、蹴った呼延灼のほうが腰を傷めている分、ダメージ大きくて。呻く彼を、表面ふてぶてしく、内心うろたえながら関勝が介抱します。
大騒ぎですが、そこへ宣賛夫妻がやってきて、関勝の分の新しい浴衣を届けてくれます。韓滔と彭己に言付けられた、呼延灼の新しい浴衣も。
金翠蓮、着付け手伝いましょうかって、澄んだ綺麗な声で心配そうに言うんですが。さすがに恥ずかしい二人、何とかやってみる、ということで、お互いがお互いを手伝ってどうにか着装。
……で、関勝が呼延灼の腰を支えて、出てきたら二人とも左前で。帯も位置が変だし、衿も抜けてだらしないし(キスマーク見えてます)。宣賛の失笑を買っていればいいです。金翠蓮も、俯いて慎ましく微笑っています。
その後、夫妻が関勝の着付け。
やっぱりのう、とか言いながら現れた韓滔・彭己が呼延灼の着付けをやってくれます。
6、公孫勝
(浴衣は白地に細く、秋草模様を描いたもの。帯は濃紺。色素の薄い公孫勝が着ると、涼しげを通り越して、ちょっと冷たく幽霊じみた印象)
黒々とした影絵のような人々の間を、そぞろ歩き。
劉唐ともはぐれてしまって、狐面片手にちょっと人気の少ない方を目指していたら、人影の切れた石灯籠の付近。不意に、背後から手首を掴まれてしまいます。
盆踊りの、ちょっと拍子速めなお囃子の音。
張藍ッ、と呼んだのは、黒の浴衣の林冲。血相が変わっています。
どうも、偶然ながら公孫勝が着ている浴衣は、彼の亡妻・張藍が最後の夏に着ていたのと同じ図柄だったようです。
もちろん、すぐに気づいて「何だ貴様か。顔色の悪いのが一人前に浴衣なぞ着るから、幽霊のように見えたぞ」と普段どおりの憎々しげな口をきき、そっぽを向きますが、動揺は隠し切れません。掴んだ掌も放せなくて、小さく手を震わせています。
何だか、切なくなってしまう公孫勝。
彼自身、種類は違うけれど、逢う資格なんて無いけれど、それでも夏の宵闇――現つと夢幻、彼岸と此岸の境曖昧な薄暗闇――に紛れて逢いたい、二度と逢えない人たちがいるので。
今だけ。祭が終わるまでの幻だ、といって、白い手で林冲の日焼けした逞しい手を引いて、背後の黒々とした鎮守の森へ入っていけばいいです。
―――その後、現れた劉唐。
石灯籠の下にぽつんと残された狐面を拾って、一人、佇みます。
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