徒然種々
思いつくままに。
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拍手をたくさん頂きまして、本当に…大変ありがとうございます!
心より、御礼申し上げます!(平伏
閑話休題
その、SSA研究会様からお借りした設定で、連載している話の続きを下にUPしております。
―――鋼の冷気が、一瞬で焔に変わる。
『……っ』
しかし次の瞬間、
『ぅぐ!?』
残った片腕に握った短剣を、振るっていた。
己が血の赤い飛沫も物ともせずに、休哥はひと息に楊令の腹を抉る。防具の隙間から、ひと息に突き通した。
『く、ぅ…っ』
『う…、ぅう…ッ』
そのまま、二人縺れ合うようにして落馬した。
―――その時点から暫く、休哥には真っ当な事態の記憶が無い。
出血が、酷すぎた。
単に腕を斬り落とされたというだけでなく、肩から身を大きく二つに割られ、片方を半ばから殺ぎ取られた形だった。
左。
利き腕でなかったのは予後には良かったともいえるが、心の臓に近い分、その時点ではより多量の流血を誘った。
『…………』
朦朧としたまま、休哥は誰かの手が肩の傷に布を押し込み、絞り上げて強引な血止めを試みるのを感じていた。遠く薄らいで行きかける意識を、呼び戻す叱咤の声を幽かに耳にした。
後で―――戦が一段落して、夜に到った時だろう、傷口に焼けた鉄が押し当てられて、それでようやく完全に血が止まったのだ。
半死半生の重傷者として、少なからぬ日々を過ごした。
ろくに床から起き上がれぬ状態で、休哥はやがて血を吐くようになった。―――肺の病。もともと抱えていた病が、負傷して体力の弱った隙を突き、表面に現われ出てきたのだと軍医に言われた。
隻腕で、肺病持ち。
それでも、軍人としてやっていけない訳ではない。
しかし、休哥が養生を重ねて起き上がれるようになるまでに、肝心の童貫が退役していた。
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