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徒然種々
思いつくままに。

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他所さまから頂いた、萌え。

 素晴らしき萌えを、美味しく消化中。
 現れた副産物を、ちょっとUPしてみました。……突発の急造仕上げなので、もともとろくに推敲さえしない文が尚更変なのですが。
 
 まず、その。
 先にUPしておりました、「たんぽぽと未完成道化師のうた。」のSSA研究会様ご提供の、宋の軍神&白き狼の、コラボイラストから、勝手に妄想しました、話の、続き……のようなものを、下に付け足しました。
 
 戦が生命の総帥の下、のびのびと戦に打ち込む休哥は、きっと天真爛漫な狼そのものだと思うのですが。それは単にあどけない、人間の汚らわしさを持たない純真な動物、ということではなく、野生の峻烈をも当たり前の本能として備えた、獣であってほしいとも思う訳で。
 
 そゆつもりで、付け足した続きです。
 
 それから。
 下の折り返し以下に「onion plus」のsaki 様の作成された現パロ設定を借用した小話の、続きを……。
 
 続き続きで書いておいて、“小話”というのも変かもしれませんが。
 しかし、イラストという別の媒体で作品を仕上げていらっしゃるSSA研究会様の場合と異なり、 saki 様の現パロは、文字でも表現されているので。
 
 何時でも下げられるように、こちらのブログにUPさせていただいています。
 えと、ちなみに。前回のUPした分の最後にも加えましたが、リンチ寸前の呉用センセが思い出した小学生の友人というのは、晁蓋殿のことです。
 
 

 
「酷いことを…っ」
 
 袁明の、唸るような声。
 眉間に、深々と亀裂が刻まれるのが見える気がする。
 
「大丈夫か!?」
 
 李富の声。
 ……床に転がって蠢いている毛布蓑虫が呉用だと、すぐに悟ってくれたようだ。ばらばらと何かを払い落とす音がして、
 
「あッ、待て!」
 
 袁明の制止も間に合わない速さで、貌のガムテープ二箇所を引っぺがされた。
 
「…ぃッ!」
「あ、すまん!」
「―――李富、こういうのはな、いったんシャワーでも使って濡らしてから剥がさんと、こうして皮膚や睫毛の一部まで引き剥がすことになるぞ」
「考えなしでした……」
 
 しょげた声になる李富に、呉用は慌てて、
 
「いや、助かった」
 
 ありがとうと、渇いて掠れた喉を使って感謝した。
 
 テープで瞼の上から圧迫されていた視界には、ちらちらと白い影が閃いている。強制された闇に慣れて開いた瞳孔は、射し込む陽射しのせいで一瞬、痛みを訴えたが、しかし数度瞬くうちに落ち着いた。
 
 眼の前に、心配そうな貌をした友人と、先輩。
 一人ずつ。
 
「助、かった……」
 
 改めて、安堵の息が零れた。
 袁明が苦笑する。
 
「まったく、酷いめに遭ったな…」
 
 すぐに出してやると、袁明と李富は二人して呉用の体を引き起こし、巻きつけられた毛布を外してくれる。
 すうっと汗まみれの皮膚に外気が触れて、体温が下がっていく。
 
「…………」
「立てるか?」
 
 言いながら、袁明は呉用に手を貸してくれる。
 右腕を取って、肩に負った。
 
「とりあえず、寮の部屋へ戻ろう。こんな暑苦しい場所で布団蒸しに遭っていたんだ。熱中症を起こしかけているだろう」
 
 医者に見せた方がいいかもしれんが、ともかくはまず部屋に戻って体を冷やして水分を摂れ、と。
 言って、袁明は右、李富は呉用の左側を支えてくれて、二人して呉用を倉庫から助け出そうとする。
 
 そのとき。
 何か凄まじい打撃音が響いて、倉庫内の空気までも揺るがした。
 
「…っ!」
 
 呉用は、ハッと息を呑んだ。
 耳を澄ませ、外の気配を探る。―――彼の左脇を支える李富も、びくりと貌を強ばらせた。
 
「外で、喧嘩…?」
「ッ!」
 
 
 そうだった、まだ終わっていなかったんだと、ようやく呉用は思い出した。
 
 自分が、皆を巻き込んだ。
 此処に、李富と袁明はいてくれて……つまり、だから童貫はこの倉庫の外で、たった独りであんな奴等と対峙しているのだ。
 
 あんな、卑劣な奴等。数を頼んだ暴力と見当外れのプライドを振り回し、厳しいが正しく自分たちを見守ってくれる先輩たちに対する敬意など、まるで持ち合わせていない。
 剣道部の先輩でもある童貫のことを、叩きのめしてやるといってせせら哂った一年の存在が頭に思い浮かぶ。
 
 自分せいで、童貫が怪我をすることになったら……ッ!!
 
 
「気にするな」
 
 足を竦ませる呉用に、しかし袁明は素っ気なく言った。
 それより早く行くぞと歩みを促す。
 
「童貫のことは、気にしなくていい」
「でも…っ」
「いいんだ。―――あれが段を取らぬのは、単なる法律対策だ」
「え…?」
 
 訳が判らず、頸を傾げる呉用の前に、再び、物凄い音を立てて何かが転がってきた。厳しく逞しく、筋肉に鎧われた巨体。
 くちばかりの腰抜けなど叩きのめしてやると豪語していた、一年生。顔面を紫というのか、黒味がかった青というのか、何とも微妙な色に変化させて、背から地に叩きつけられた瞬間、耐えかねたように口から吐瀉物を噴出す。
 
 ―――醜悪な、呻き声。
 
「「…………」」
 
 袁明は汚らしそうに、軽く眉を顰めた。
 呉用は……恐らくは、李富も……驚きのあまり、咄嗟には声さえ出ない。
 
「剣術の有段者が喧嘩をすると、単なる棒切れを握っているだけでも、凶器を使用したと見なされることになる」
「え?」
「…はぃ?」
 
 間の抜けた反応を返す後輩らを一瞥して、
 
「それが面倒だから、童貫は望めば段を取れる実力を持ちながら敢えて取らないでいるだけだ」
 
 袁明は素っ気なく説明を締めくくる。
 李富は眼を丸くした。呉用もだ。
 
「えっ、ではこれ」
「もしかして……」
 
 こんな荒事を、あの、小柄で体つきも細い、人形のように綺麗な人がやったというのだろうか? 確かに、薄いフレームの眼鏡の奥、眸にはいつも苛烈な光が湛えられている。日頃の動作も規律正しく、ふとした瞬間、垣間見える手足の仕草が敏捷そうではあるのだが……それにしても。
 
「むろん、童貫がやっている」
 
 淡々とした声で袁明が告げる。
 折りしも、再度響き渡る打撃音。二人目の男がうめきながら這いずってきて、倉庫の入口で、がっくりと力尽きたように沈没した。
 
「「…………」」
 
 後輩二人はただただ声を失うのみだった。
 袁明は冷静である。
 
「だから、気にするな。―――行くぞ」
「は、はい…っ」
 
 そのまま、呉用は両脇を袁明と李富に支えられて、自室まで運ばれた。
 冷たい濡れタオルをかけてもらって、それからたくさんスポーツドリンクを飲んだ。やはり、熱中症を起こしかけていたらしい。
 
 
 
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