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徒然種々
思いつくままに。

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 拍手をぽちっと送ってくださる方、どうもありがとうございます!
 わー、押してもらっていると、背筋がぞくぞくするくらい嬉しい興奮を味わわせていただきました!
 改めて、お礼申し上げます!!
 
 
 
 
 
 閑話休題。
 昨日と同じく、「onion plus」のsaki 様からお借りした設定にて。
 以下で、現パロ小話です。
 
 
 一戦目、童貫は探りに終始した。
 
 明らかに、楊令とかいうこの対戦相手は彼よりも強い。
 それは前の畢勝戦を見ていても分かったことだが、こうして直に対戦すると、その事実が実感として身に沁みる。
 
 竹刀の一撃一撃が鋭く重く、体捌きも速い。下手な受け方をすれば、それだけで小手を嵌めた両腕が痺れてきそうだ。
 去年はまだ見なかった相手、だから一年なのは間違いないだろうが、たいしたものだ。まともにいけば、到底歯が立たない。
 
 しかし、童貫は彼がまだ試合慣れしていないと視た。
 
 特に、こんな大大会には縁が無かったのだろう。大会本部による紹介、此処までの選手としての振舞を見ていれば見当がつく。一人稽古、もしくは少人数で純粋に剣技を磨くことにのみ邁進してきたのだと思われる。
 
 ―――ならば、やり様がないこともない。
 
 負ければ自分のみでなくチーム全体の敗北となってしまう団体戦の重圧感は、自分で意識する以上に心身に圧し掛かってくるものなのだ。
 それを自覚して、意識して越えるべく努めている童貫と、恐らくはまだ自覚の曖昧な一年生と。
 
「…………」
 
 この一戦目、童貫はとことん粘って相手の技と動きを引き出し続けた。
 最後には当然ながら、判定で相手の勝ちとなる。
 
 
 二戦目。
 童貫はまたしても守りを固め、相手の攻めをかわし続けた。
 
 かわすと言ったところで、半端に竹刀で防いでも本気の打ち込みが入れば、重さでそのまま押し切られてしまう。
 
「……ッ」
 
 童貫は気を限界まで研ぎ澄ませて、視た。
 相手の、雄々しく活力に満ちた肢体―――それが静から動へと移る一瞬を狙って、添うようにして相手の竹刀に竹刀を当てる。瀑布の勢いで畳み掛けてくる攻撃を、その力の矛先を僅かにずらすことですり抜けていく。小柄な体躯も、この際は有利。
 先ほどの一戦より少し太刀行きを速くして、攻防の狭間で絶対に攻撃を当てさせないと暗黙の内にアピールしてみせた。
 
 ―――それでも、このままなら童貫の判定負けなのだが。
 
 しかし思ったとおり、試合経験の浅い相手は決まらない勝負に焦り始める。
 
「……っ」
  
 童貫の密かな挑発を悟ってしまえる技量があるだけに、却って落ち着かないのだろう。まだ経験不足なのだから、仕方のないことだ。
 
 童貫は、そこに付け込む。
 
 勝負を焦った相手が大きく振りかぶり、強引に小柄な童貫の面を狙った。―――体勢に、無理が生じる。
 その瞬間、童貫は僅か半歩を飛び下がりつつ、身を沈めて空いた胴を打ち払った。
 
 引き胴一本。
 主審一人と副審二人、合わせて三本の白い旗が閃く。
 有効打。
 
 後は守り続け、二戦目は童貫が取った。
 
 
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