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自分が好きだから、楽しいから書くんだ、だから下手でもマイナーでも全然かまわないんだぁ! と必死で心に言い聞かせて書いたものをUPしているのですが。でも、懸命に似非悟りを開いていても、……所詮似非なので、たくさん拍手をしていただけると心が浮かれて踊り出します!
拍手をして下さった方!
ありがとうございました!!
―――閑話休題。
折り返し以下から、「たんぽぽと未完成道化師のうた。」のSSA研究会様からお借りしました設定で、北方水滸伝の呼延灼&趙安の小話をひとつ。
……えと、女体化で現パロです!
祝いに何でも買ってやると言ったら、それなら一緒にショッピングがしたいと華のような笑顔を見せる。
後輩の趙安と二人、呼延灼はブティック巡りをした。一着、見立てて贈るつもりだったのだが、
「これなんて、似合うんじゃありません!?」
「お前、自分のを選ぶんだぞ?」
「分かってますって。でも、これ貴方に似合うと思いますよ?」
趙安は、呼延灼の方にまで衣装を押し付けてきた。
「趙安…」
淡いラヴェンダーのワンピース。
衿のレースが可憐な印象で首元を飾り、スカート部分には小花を散らしたシフォンの襞がふわふわと、幾重にも重なり合いながら流れている。
肩からかけられて、
「こういう可愛いのは、俺には合わないさ」
お前にはいいだろうけれど、と呼延灼は苦笑したものだ。
ほんのりと、幼い愛らしさを残した貌立ち(つまり童顔)。
全体的に色が白く、こう……ほそいウエストからヒップにかけてのラインがややぽってりと柔らかい。
趙安には、甘めの雰囲気の服が実に良く似合う。
「しかし、こっちはこんなにしっかり日焼けして、おまけにほら、体もこれだからなあ」
パステルカラーの服なんて不似合いだと、呼延灼は鞭のようにしなやかな肢体を熱いシャワーに晒し、汗を流しながら笑う。
「そんなことないですって。……絶対似合うのに」
隣で同じくシャワーを使いながら、趙安はくちを尖らせた。こちらも機動性を取り上げれば同程度ながら、日焼けがあまり定着しない体質のせいか、見た目にはもう少し白くまろやかな印象がある。
「そりゃあ何時ものパンツスタイルも、ばっちり決まってますがね。でも、たまには違う雰囲気の服もいいと思いますよ?」
先日のショッピングでの会話を、丸ごと蒸し返した形になった。
あの日、結局趙安は呼延灼も太鼓判を押した淡いピンクのカーディガンを買った。リボンの飾りがたくさんついていて、袖口や裾に少しラメが入って、大変可愛らしい。
しかし、呼延灼自身は趙安や傍についた店員にどう奨められようと、頑としてその手の服を着ようとしなかった。試着すら、しないのだ。絶対に似合わないと言い張って。
「こんな可愛げのない性格でそんな服、変だろ」
「性格…充分可愛いと思いますがねぇ…」
「ん?」
ああいえ、と手を振りつつ、趙安は呼延灼に身を寄せた。
シャワーで濡れた髪に触れる。
「ほら、髪の色も淡いですし、可愛い系の服もいいですよ、絶対」
「いや、なぁ……」
「だいたい、体のライン云々って……背丈はちょうどいいし、腰もほそいし。胸だってほら、こーんな好い感じに形が良くて―――」
「―――って、趙安!」
適当に、話を聞き流していた。
呼延灼は、いつの間にかぴったりと身を寄せてきている後輩に慌てた。裸の白い肩を掴んで、押しのけようとする。
「おまえ、何処触っているんだ!」
「いいじゃないですかぁ、女同士ですし?」
「そういう問題じゃない!」
「なら、私の見立てた服、一度着てみてくださいよ! そうしたら、やめてあげますから!」
「どんな条件だ!!」
煩いと苦情が来るまで、二人でぎゃあぎゃあと騒いでいた。
その後、一番最初の機会を捉えて、趙安から呼延灼に贈られたのは淡紫のスカーフだった。菫の刺繍がしてあって、縁はレースで飾られている。
―――服だったなら、こんなデザイン絶対身につけないのだが。
「せっかく贈ってくれたんだしなあ…」
スカーフぐらいなら、使わない訳にもいかない。
その辺りの兼ね合いが、趙安は非常に巧かった。
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