徒然種々
思いつくままに。
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北方○三作品の、日向景一郎シリーズ。
最終巻を、読み終えました。その、感想です。
……このサイトに来てくださる方でも、…その、中国史ではなく日本史ですし。ご存知無い方も多いかと思い、そっと、UPします。
日向景一郎シリーズの、最終巻。
希代の剣豪である祖父(か、父)に剣を仕込まれた日向景一郎は、その祖父と共に実の父(か、兄)を斬り殺すための旅に出ます。そうしないと生き残れないと、祖父に言い聞かされて。
それでも、最初は景一郎、父を斬るつもりはなく、事情を知りたいと思っていただけなのですが。祖父が病死し、独り旅を続けて……最終的に、死病で余命幾許もなかった父を斬りました。そして、遺された弟(か、甥)に父と同じ森之助という名前をつけて、育てていくことに。
森之助が二十歳になったら、“父の仇”である景一郎と真剣で以って斬り合うことを前提にしつつ。
これが、シリーズの一巻で。
その後、成長していく森之助を見守りつつ、成り行きで巨大な理不尽と戦うことになってしまう景一郎の生き様を…時の過ごし方を?…描いたシリーズ二巻、三巻、四巻。
四巻では、初めて弟・森之助の視点が作中に現れ、最強の兄を敬愛しつつ、それを超えよう超えたいと足掻く成長過程の、実に若々しい少年の姿が、垣間見れるのですが。
最終巻。
遂に、二十歳を迎える森之助。
四十に至る、景一郎。
やはり理不尽と戦いつつ……最後、遂に斬り合う二人。
最終巻を、読み終えました。その、感想です。
……このサイトに来てくださる方でも、…その、中国史ではなく日本史ですし。ご存知無い方も多いかと思い、そっと、UPします。
日向景一郎シリーズの、最終巻。
希代の剣豪である祖父(か、父)に剣を仕込まれた日向景一郎は、その祖父と共に実の父(か、兄)を斬り殺すための旅に出ます。そうしないと生き残れないと、祖父に言い聞かされて。
それでも、最初は景一郎、父を斬るつもりはなく、事情を知りたいと思っていただけなのですが。祖父が病死し、独り旅を続けて……最終的に、死病で余命幾許もなかった父を斬りました。そして、遺された弟(か、甥)に父と同じ森之助という名前をつけて、育てていくことに。
森之助が二十歳になったら、“父の仇”である景一郎と真剣で以って斬り合うことを前提にしつつ。
これが、シリーズの一巻で。
その後、成長していく森之助を見守りつつ、成り行きで巨大な理不尽と戦うことになってしまう景一郎の生き様を…時の過ごし方を?…描いたシリーズ二巻、三巻、四巻。
四巻では、初めて弟・森之助の視点が作中に現れ、最強の兄を敬愛しつつ、それを超えよう超えたいと足掻く成長過程の、実に若々しい少年の姿が、垣間見れるのですが。
最終巻。
遂に、二十歳を迎える森之助。
四十に至る、景一郎。
やはり理不尽と戦いつつ……最後、遂に斬り合う二人。
結論を言うと、景一郎が勝ちます。
勝って、森之助を斬ってしまうのです。
……個人的には、嬉しい。
二人のどちらも好きでしたので、斬りあわないでくれたら一番嬉しかったのです。でも、どうしても殺しあうなら、景一郎に残って欲しかった。
幼い頃から豪胆で、如何にも強い。
肉を斬らせて骨を断つ……初めから、そんな戦いぶりの森之助。
父に、そっくりな弟。
比べると、景一郎は礼儀正しく生真面目ながら、“臆病”で。竹刀では強くても、初めての真剣の斬り合いでは恐怖のあまり失禁してしまうほど。初めて人を斬ったときには、衝撃のあまり泣きながら嘔吐して、真剣を握った手から剣が離れないと震えている。
剣豪だった祖父は、そんな景一郎の“臆病”ぶりを剣の天稟といって評価していましたが。相手の剣先を懸命に見切ろうとする、それで身を守る術を誰より確実に覚える……と。
実際、景一郎は徐々に臆病さと…同時に、人間らしさのようなものを殺ぎ落としていって、一巻の終わりごろにはもう、誰よりも強くなっています。
……読者の眼から見ると、景一郎はとてもとても優しいひとだ、とも思えるのですが。本人は鬼だとか獣だとかいう周囲の評を当然のものとして受け止めて、淡々としています。それが、嫌だとも思わずに。
最初から豪胆だった森之助より、そんな景一郎に生き残って欲しいと、思っていました。
最初から豪胆で、如何にも“剣の申し子”みたいだった森之助よりも。
外目には“臆病”、でもやがてそれを乗り越えて強くなった景一郎に。
………好きなキャラに生き残って欲しい、負けて欲しくないと思うのは、自分が死にたくないと思っているからだと思います。
景一郎は、もう死にたかったみたいでした。
生き残ってしまったことが、とてもつらそうでした。つらい…というより、もう一人の、生き残るべきだった“景一郎”が死んで、遺された“自分”が何なのか理解出来ない、というような。
でも、自分は死ぬことが怖くて、とても嫌です。誰かに殺されるなんて、とんでもなく嫌です。
だから、作中で何度、死は怖ろしいものでも厭わしいものでもないと表現されていても、どうしても、好きなキャラには死んで欲しくないと思ってしまいます。自分自身が、どうしようもなく死が怖くて、生き残るつらさというのを本当のところ、理解できていないので、好きなキャラがそういう“どうしようもなく嫌なめ”に遭うのが嫌なのです。
なので、景一郎が生き残ってくれたことが、読んでいて嬉しかったのです。
……“誰でもなくなってしまった”景一郎に、精一杯慕い寄る小さな仔犬…あの仔が今後、頑張ってくれたらいいのにと思っています。
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