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にょた童貫様の、連載している話の続きです!
えぇと(汗。
扈三娘ファンの方、すみません(汗々。
「………」
もう一度、童貫を眺める。
ほっそりとして、小柄で。
実に女らしく美しい。
―――しかし、彼女はかつて、宋のあの暗愚な帝に寵愛されていた女なのだ。それも、二代に渡って。
過去に拘ることなど馬鹿らしいとは思う、が。
梁山泊頭領の隣に立つには、さすがに…あまり、相応しくないものではないのだろうか、と。
ふと、そんな風にも感じてしまう。
同時に、保正の娘として好き勝手をしていた過去の己を思い返し、どちらもどちらだと恥ずかしくもなる。
しかし……
「………」
扈三娘が自分で自分の思いを持て余していた時、
「少し、良いかの?」
背後から、声がかかった。
「韓滔殿」
惚れているのだ、と言われた。
自分……この扈三娘が、梁山泊頭領の晁蓋に。
―――狼狽しつつ否定したが、頭領とて一人の男とそちらから切り返されれば、くちを噤まざるをえない。
だいたい、晁蓋は、あの童貫と関係を結んでいるのだから……。
あまり、似つかわしくない二人だとは扈三娘は、思ってしまうのだが。
それを言葉にはさすがに出来ないでいたが。
韓滔に、言われた。
雪嶺に乗った双剣使い――扈三娘――と、晁蓋が駒を並べて出陣する光景は美しいだろう、と。二人は、似合いの男女であるのだ、と。
「………」
扈三娘は、今は童貫と離れ、兵士たちに囲まれ朗らかに笑っている晁蓋を、改めて見つめざるを得なかった。
同じ元官軍でも、禁軍よりの立場にあった童貫と、地方軍の将軍だった呼延灼についていた韓滔―――もしかして、何らかの勢力争いに利用されることになるのならば拙いのだが。
けれども、しかし……
扈三娘は自問自答を繰り返す。
―――隣に行って、良いのだろうか?
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