徒然種々
思いつくままに。
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連載しております、女版童貫様の、はなし。
続きです! 拍手、どうもありがとうございます!!
呉用は……晁蓋が扈三娘と夫婦になって、戦闘部隊の先頭を二人で駆けることになっても構わない……の、だろうか?
「………」
彼女は、きっと構わないというのだろう。
当たり前のように。
自分は、軍師だから。
頭領たる晁蓋と癒着しているように見えるのは良くない。
そう言って、“付属的”な晁蓋との関係を出来る限り周囲に秘めたままにしている呉用のこと。扈三娘が晁蓋の正妻になるのなら、それはそれでいいと―――祝福さえ、するのかもしれない。
「………」
しかし…ッ
「………」
つきんッ、と胸に突き刺さってくる痛みを堪え、紅い唇を緩く噛み締めて。
童貫は晁蓋を見詰める。―――何も知らず、晴朗な笑顔を浮かべている彼……その横に、呉用以外の娘が当たり前のように並ぶようになる。妻として……。
―――嫌だ、と。
そう、童貫は思ってしまった。
そんなこと、考える権利も資格も彼女にはないのに。
……後宮にいた時はお互いの立場もあって親しくしていたし、この梁山泊に来てからも職務上、彼女は呉用と親しむ機会が多く、友人めいた付き合いをしている。しかし、本当に友人といって胸を張れる関係なのかどうか、他に友のいない童貫には分からないのだ。
無論のこと、呉用との間に血の繋がりがある訳でもない。主従関係にある訳でもない。だから、呉用がどう生きようと、それに対して嫌だとか何だとか、童貫には言うことが出来ない。
そんなことぐらい、童貫自身良く良く分かってはいるのだが……。
好きな男(晁蓋)が他の女と夫婦になって笑い交わしている。
それを眺めて、これでいいのだと微笑んでいる。
――――そんな生き方を、呉用にはしてほしくなかった。
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