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徒然種々
思いつくままに。

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ありがとうございます!

 えと、拍手を、送っていただきまして!
 どうもありがとうございます! これから始まる梅雨と夏、その開始を乗り切るためのエネルギー、頂戴いたしました! 本当に、萌えも感動も萎え果てるような季節が近づいて参りましたが…こんなときこそ、エネルギーを貯めて萌えあがりたいですね! できるかどうかわかりませんが!
 

 
 
 閑話休題。
 えと、「onion plus」の saki 様からお借りした設定にて。
 女体童貫様の話の続きです!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 春風秋風の両山を、董万の大軍が囲んで攻め立てていた。
 二山側は朱同(※当て字)を先頭に、僅かの手勢で必死に反撃。何とか陥落を防いでいる。
 
 予測したとおりの事態を見て取って、童貫は即座に、率いてきた部隊を散開させた。二隊に分け、更にその内部の密度を薄める。―――本当は、分厚い包囲をほんの一部でもいい、打ち毀すための鉄槌が必要だった。朱同らの軍は明らかに限界に達している。今は何よりも、実質的な武力の援助を必要としていた。
 
 しかし、本来輸送隊である童貫の軍には、一丸となって堅固な陣に深く食い入り、中枢に実害を与える攻撃力などない。 
 ならば、脆弱な一点攻撃で敵にこちらの内懐を見透かされるよりも、実効は薄くとも素早く多面的な攻撃を敢行し、“援軍到着”の事実を知らせて敵の狼狽を誘う。それを狙うべきだった。
 そのことは同時に、苦戦する双頭山の者達に味方の参着を知らせ、士気を高めることにも繋がる。
 
 ―――あと、暫く。
 
 ほんの数刻も持ちこたえれば、他の部隊が到着する。
 童貫は確信していた。梁山泊には優れた軍人が多い、童貫と同じことに気づく者が、きっと他にもいる。双頭山から救援要請も出ているだろうし、童貫自身、伝令を本隊へ走らせた。
 
 とりあえず、“軍”として集団で動くための訓練だけは充分に積ませた。
 この部隊で敵軍の攻勢をしのいでいれば、必ず事態は梁山泊有利に動く。
 
 それを、信じて。
 
「畢勝っ」
「はッ!」
 
 大きく分かれた部隊の、一方を率いて畢勝が離れていく。
 童貫はもう一方を指揮して、敵で溢れた戦場へと駆け込んだ。
 
 
 敵陣に深く踏み入って、取り込まれてしまっては元も子もない。
 浅く浅く、ただ途切れることなく、分かれた二隊で敵の外縁をつつくようにして攻撃を加えていく。それで、堅固に組まれた董万軍の包囲陣の動揺を誘う。仮に相手が小勢と侮り勝負を決めるべく陣を崩して攻勢に出て来てくれれば、云うことはなかった。
 
 率いる全部隊を二つに分けたうちの、一つ。
 
 そのうちの一小隊の先頭に立って、童貫は戦っていた。
 といって、彼女に武芸の腕はない。左手首にきつく手綱を巻きつけて少々強引に身を支え、右手で剣を握って、打ち下ろされる剣や槍の矛先をどうにか払い除ける。―――そうして己の身を守るだけで精一杯で、敵兵を討ち取るところにまではなかなか行き着かない。
 
 ただ、童貫の眼は敵陣に生じる僅かな空隙を巧みに拾う。
 拾えば、ただちにそちらへ馬を走らせた。それに部下が続き、小さな綻びをかき回し、相手が立ち直る前に離脱する。
 
 ―――繰り返して、戦場を縦横に駆け巡った。 
 
 やがて……たとえようもなく長く感じられた一時が過ぎて。
 戦場に秦明率いる部隊が到着した。味方の盛大な歓声が、それを伝える。
 
「…………」
 
 馬を走らせながら、童貫は味方の出現を認識した。
 ちらりと、正しく鉄槌となって戦場を奔る秦明軍に視線をやる。
 
 ……来た、と思っただけ。
  
 別に油断した訳ではない―――
 そのつもりだったが、やはりそれは油断―――戦場にあるまじき、気の緩みに繋がっていたのだろうか?
 
 
 その、一瞬。
 
 
 童貫一騎を囲むようにして、敵兵が動いた。
 矢が、集中する。
 
「ッ!?」 
 
 馬の頸を、射抜かれる。
 馬が、倒れる。
 
 ―――童貫の肢体は、宙に飛んだ。
 
 
 
 
 
 
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