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徒然種々
思いつくままに。

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 ありがとうございます!
 
 
 
 えと、それで。
 折り返し以下から、「onion plus」のsaki 様の設定で、女体化童貫様の話です。
 ……先の連載と比べて、脳内では先に出来ていた話、です!
 

 戦は始めるにも遂行するにも力が要るが、更に言えば終わった後にも何かと労力を費やさねばならないものである。
 
「「「「「………」」」」」
 
 今回は特に、最終的には梁山泊が勝利を掴んだが、それは長い忍耐を経た挙句、総力を挙げた決戦に臨み辛うじて得た勝利だった。―――“勝利”の後始末には時間がかかった。
 戦死者戦傷者の手当て、崩れた防御壁の補修、消費した物資の補給……欠かせない多くの仕事を、梁山泊幹部たちは勝利の感慨も程ほどに黙々とこなしていった。
 
 ―――それがようやく、ひと段落を迎えて。
 
「…ッ!」
 
 梁山泊頭領の一、晁蓋がふうう、と吐息して思いきり伸びをする。
 もともと書類仕事の苦手な晁蓋は、この二月余の作業に心気をすり減らしていた。
 
「お疲れさまです」
 
 そんな彼を見て、呉用が軽く苦笑しつつ労う。
 
「いや。呉用こそご苦労だったな。―――疲れたろう?」
「これこそ、私の仕事ですから」
「だが、今度の戦に関してはようやく目処がついた……んだよ、な?」
「ええ、もう粗方は」
 
 なら一度慰労もかねて、梁山湖で釣りでもするか、と。
 晁蓋は提案する。皆で弁当でももって、と。
 
「いいですね」
 
 本来の気質としては、一介の武人として野を駆けていたい傾向がある。
 そんな彼を知っているので、とにかく外に行こうと訴える晁蓋に呉用はやんわりと微笑んで頷く。呉用自身、釣りは別に嫌いでもない。
 
「おう! ……そちらは、どうかな?」
 
 嬉しげに満面の笑みを浮かべて頷いた後、晁蓋はやや気遣うように、この場にいるもう一方の女性……童貫を振り返る。幼馴染として育った呉用と比べ、こちらとはまだ知り合って日が短く、釣りのような遊びに興味を示すのかどうか、晁蓋は知らない。
 
「釣りは、好きだろうか?」
「……好きかどうか、やったことが無いから知らないが」
 
 興味はある、と。
 さらさらと動かしていた筆を止め、童貫は律儀に応えた。―――何と言っても、まだほんの小娘の頃に後宮へ入り、以降この梁山泊に来るまでの長の歳月、ずっとそちらに生活拠点があったのだ。特に許されて外界とも出入りしていたと言っても、一般庶民とは生活常識に大きな差がある。
 
「誘っていただけるなら、参加してみたい」
「もちろん! 嫌でなければどうか参加してくれ!」
「……ただ、実はその前に一つ、貴方に頼みたいことがあるのだが…」
「何だ?」
 
 何でも言ってくれ、とまたしても朗らかな笑みを浮かべる晁蓋。
 その彼を見つめて、
 
「今晩、」
 
 まるで、何でもない些細な頼みごとであるかのように。
 さらっと、童貫は言った。
 
「私は貴方と一緒に寝たい」
 
 
 寝所に行ってかまわないだろうか?
 
 
「「「……ッ!?」」」
 
 聴くともなしに彼らの会話を聴いていた周囲の方が、驚いた。
 若い娘が更に年下の若い男に向かって、一緒に寝ていいか、といきなり言い出したのだ。―――当然、驚く。
 
「ああ、いいぞ!」
 
 しかし、言われた晁蓋本人のほうは、欠片も驚愕を見せない。
 遠慮なく来てくれと、相変わらず屈託無く笑っていた。
 
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