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徒然種々
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すばる11月号感想、ラスト。

 ネタバレですので、隠します。
 感想は、たぶんきちんと書くのはこれで最後です。
 

 楊令伝7巻が出て、また童貫元帥に出会えて。
 もう、11月号で亡くなっているのだとは判っているのですが、それでもちょっと元気出ました。だから、最後の感想です。
 
 んー。
 
 少年向けの小説とか漫画とかで、王道パターンあるじゃないですか。
 負けた強敵は、「おまえを倒すのは俺だ!」とか云って、何やかんやで主人公側の味方になってくれるという……。
 
 正直、敵側のキャラを好きになることが多かったので、このパターンは私にとって都合が良かったのですが。でも、あんまり頻繁に出てくるパターンなので、何となく胡散臭くも思えたのですよね。あまりにもワンパターン過ぎて、嘘っぽく思えたというか。
 ……今回、パターンがパターンになるには、それなりの真実性があるものなのだと納得しました。
 
 
 楊令、勝ってッ!!
 
 
 そう、思いました。
 梁山泊の志がどうとかではなく(正直、李富が(たぶん)作る国より梁山泊の国の方が百倍気持ち良さそうですが)。貴方たちは、あの元帥に勝ったのですから。他の誰にも負けないで!! と。
 
 自分に勝った、もしくは自分の大切な、大好きな誰かに勝った相手に対して。
 だからこそ他の誰にも負けないで、という気持ち。―――あるものだなあ、としみじみ納得しました。
 
 北方楊家将・血涙で耶律休哥が死んだときは、彼の望んだ通り、戦場で…でもその死因は病で、闘いには勝って死んだこと。後継者ががっちりしていたこと。
 など等から、それほど―――もちろん辛かったですが―――今回の、童貫のときほどの衝撃は無かったのです。辛いことは辛かったですがね!
 
 一番のショックは、彼がもういないことそのもの。
 
 でも、それが元帥にとっての幸せと納得しつつも、やっぱり、討たれて死んでしまったのだということもある程度、引っかかっていまして。
 それだけに、楊令に勝って欲しいと思います。今更、青蓮寺や金の奴らになんか、負けないで欲しい。
 
 だって、梁山泊に勝った元帥は、それからちゃんと勝ってきたのですから。
 宮廷の有象無象にも負けなかったし、江南でも、北でも、勝ってきたのですから。梁山泊と再戦するまで、ちゃんと勝ち続けてきたのですから。
 
 だから、今度は楊令たちが勝たないと!
 つーか、勝ってッ!!
 
 
 ……逆に、童貫元帥の後継者、息子のような存在だった岳飛には、あんまり無理しないで、と云いたいです。
 貴方、童貫に対する恩義はあっても、宋の腐れた朝廷になんか、まったく何の義理もないんですから。あんまり頑張っていると、史実みたいにされちゃいますから。
 ……出来るかどうかは判りませんが、いざいよいよとなったら、梁山泊と折り合ったって構わないと思いますよ。本人は悔しいかもしれないですが、(だからたぶんそういうことにはならないと思いますが)少なくとも元帥はそれでも、仇取ってくれなかったとか不甲斐ないとか、そんなこと微塵も思ったりしないはずですから。
 

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