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新年最初の更新は、もう少し…三が日が明けたくらいに、何かちょっと新年っぽいものを考えられたらいいな、と何となく思っていたのですが!
たびたびこのサイトで設定を借用させていただいている、「onion plus」のsaki 様が。
も、無茶苦茶可愛い…眩暈くらくらものの最高に可愛い黒白うさぎさんの絵を、UPしてくださっていて!
猛烈に、萌えてしまいまして!
黒兎こと、童貫様と白兎こと、呉用センセのお話!
書きたくて、書きたくてたまらなくなってしまいまして。
結局のところ、あの、連載しています女性版童貫様の話の続きを、以下に(照。
童貫様と呉用センセの仲良しシーンまではまだずいぶん道のりがありますが、でも―――いちおう、兎さん仲良し二羽の話なら、新年っぽいともいえますし!
―――ということで、以下に更新です!
晁蓋と、童貫。
二人の間に甘やかな恋情など欠片もないと、韓滔は疾うに気づいていた。本隊所属の軍人の一人として、もう何度も彼らの打ち並ぶ姿を眼にしてきたのだ、その程度のことは分かっている。
彼らはただ、お互いに心底通じ合える戦友同士だった。
同じ、天与の戦才を与えられた者たち。
―――もし、童貫が後少しその才能に相応しく、具足の似合う容姿をしていたならば、彼らの交流は完全に男同士のそれと見えていたに違いない。
しかし、実際の童貫は何処からどう見ても女――それも、酷く美しい――であるので、梁山泊でも彼らの関係を正しく把握しているものは少ない。
つまり、ほとんどの者たちが最初から彼らを恋愛関係にあると思ってみていて……そんな彼らの眼には、今の晁蓋と童貫の接触は熱い愛しみの抱擁としか映らないはずだった。命を遣り取りする戦場を無事切り抜けられたことを、想い人同士が共に喜び合い、互いの体温と鼓動を確かめ合っているとしか……。
「…………」
そんな“理解していないほとんど”のうちの一人であるところの、扈三娘―――童貫と同じく具足姿の彼女は、遠目にも判る複雑な表情で、抱き合う晁蓋と童貫を見つめていた。
韓滔はそれに気づき、
「ふむ…!」
少し可笑しくなった。
扈三娘は、明らかに晁蓋に惚れている。
しかし、晁蓋が梁山泊の頭領の一人であること、それに童貫と恋仲であるとの噂を信じ込んでいることから、晁蓋を慕う己の想いを無意識のうちに己で押さえ込んでしまっているようだった。
「遠慮せずともいいものを……」
韓滔は更に口元を緩めた。
童貫は水晶彫りの人形の如く綺麗な娘だが、扈三娘もまた過ぎるほどに美しい。双剣を取って晁蓋の横に駒を並べれば、さぞかし似合いの一対となることだろう。
それなのに、実は恋人でも何でもない童貫に遠慮して彼女は晁蓋に近づけずにいるのだ―――
「これは、年寄りが後押ししてやるべきかのう」
梁山泊上層部の人間が晁蓋と童貫の仲を敢えて否定していない理由、韓滔も薄々察している。
元々は宋の帝寵愛された存在で、しかも女性である童貫に軍指揮官として箔をつけるために、“晁蓋の想い人”という立場を利用しているのだろう。
「しかし、もうそろそろ……」
良いはずだと、韓滔は思う。もうそろそろ、童貫個人の戦の力量をどんな頑迷な者でも感じ始めている頃合い。今更事実がばれたところで、もはや問題はないだろう。
「うむ、やはりちょっとおせっかいをしてみるか」
韓滔は一人、うんうんと頷いた。
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