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折り返し以下から、バスケパロの続きです!
「もう止めておけ。―――大丈夫だ」
俺なら、と。
何でもないことであるかのように呟きながら、休哥は軽く手足を屈伸させて身体の傷みを確認している。
彼はコートに落ちた瞬間、咄嗟に躰を出来る限り己で抱え込み、“次に来るかもしれない衝撃”から最大限、身を守ろうとしていたらしい。骨や関節に、とりあえずのところ異常は感じられないようだ。
しかし、そんな自チームエースの貌を正面から見て、
「おまえ―――っ」
斜軫は知らず、ハッと息を呑んでいた。
「おまえっ、その眼!!」
「たいしたことはない」
無造作に、左手で白い額を拭う。
倒れ掛かってきた相手の肘でも当たったのか、休哥の左瞼は引き裂け、紅い血を滴らせていた。雪のように真白く長い睫毛が、血の雫を溜めて痛々しく染まっている。紅い、涙のようだった。
「深い傷じゃない」
「ッ、そうは言っても休哥、――」
「すぐに、血も止まる」
日頃から個人プレイが目立って、キャプテンとしては必ずしも日々関係良好とは言い難い相手なのだが……それでも、チームメイト。それでも、絶対的な信頼を寄せるチームのエースなのだ。
こんな無茶なことをされて、挙句に怪我までさせられて、黙っていられる訳がない!! だいたいこんな―――ルールを無視した無茶苦茶な行為、バスケットというスポーツそのものへの侮辱ではないかッ!!
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