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……毎回思うことなのですが、拍手小話を替えると何時も、こうしてたくさんたくさん拍手がいただけてしまって……それが嬉しくて仕方がないから小話を替えているのか。多少なりとも拍手してくださる方々に御礼したくてしているのか。
どっちなのだろう? と。
自問自答して、しまいます。
何はともあれ、本当に拍手、ありがとうございますッ!!
閑話休題。
「onion plus」のsaki 様からお借りした設定にて、現パロ小話を以下に。
こことのところ連載していた話の、ラストです。
「気にするな」
童貫は苦笑する。
「私が未熟だっただけのこと。そちらに何の責任がある?」
「……でも、」
そう言って、項垂れる。
彼、楊令は……実のところ、替天道大学剣道部の正式部員ではなかったというのだ。というか、実はまだ大学生ですらない。
将来は替天道大学に入るつもりで、練習にも参加することがあるらしいが……現時点で彼はまだ、高校生なのである。
食中毒で、選手の絶対数が足りない。
この大会で結果が出せなければ、剣道部は廃部になってしまう。
尊敬する先輩の方々に色々と吹き込まれて、また自身も腕試しをしてみたい気持ちが抑えきれずあったので、面鉄に貌を隠して選手登録をした。
挙句、この決勝最終戦での童貫との戦い、このままでは勝ち切れぬと焦って、指導してくれている王進に「決して使うな」と釘を刺されていた突き技を使ってしまったのだ。
「使うな、とは?」
「まだ、威力を全然コントロールできなくて……」
「なるほど」
「……すみません、でした…」
楊令は、改めて深々と頭を下げる。
しょげ返っているようだ。
「……私のこれは、私自身の体質の問題だ。そちらに責任はない」
「…………」
「それより…では、替天道大学の剣道部は廃部に?」
童貫が倒れたその騒ぎのせいで、対戦相手だった楊令にも注目が集まり、正体がばれてしまった。
選手資格のない楊令を選手にしていたのだから、当然ながら替天道大学は失格。準優勝だった宋大が自動的に繰り上がって全国大会へ進むことになる。
ならば、あの型破りだが紛れも無い強豪の一角、替天道大剣道部はなくなってしまうのかと童貫は案じたのだが。
「それが……」
楊令は、ますます項垂れた。
「嘘、だったらしいんです」
「うん?」
「結果を出せなければ、廃部というのは……私が出やすくなるようにという、先輩方のでっちあげだったと……」
「……災難だったな」
童貫は、苦笑いするしかなかった。
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