徒然種々
思いつくままに。
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えと、「たんぽぽと未完成道化師のうた。」のSSA研究会さまからお借りしていますイメージで。
女性版耶律休哥の現代パロの続きです!
海岸べりの民宿に病人が出たと事情を告げ、とりあえず一室空けてもらって休息をとる事にした。
休哥はすぐにも寝てしまおうとしていたが、石幻果は市販薬を幾つか彼女に渡した。不自然で強制的な眠気を兆すからと、休哥はよほどの状態でなければ医薬品の使用を拒む所がある。
しかし、石幻果は自分が付き添っているからと言い聞かせて、休哥に薬を服用させた。薬を飲んだ方が、当然のこと治りは早い。特に、休哥は薬慣れをしていないから、余計に良く効くはずだった。
渋々、薬を含んでブランケットに包まり横たわる。
耶律休哥の枕辺に、石幻果は付き添った。その肉づきの薄い、すっきりと緊った腹部を労わるように掌で撫ぜる。―――情交の前戯にも似た仕草だったが、しかしその時の彼に不埒な思いなど微塵もなく、ただ早く痛みが和らげばいいと、そればかり考えていた。
休哥は暫く、純白の睫毛を擡げてそんな石幻果を見上げていたが。
やがて、眼を瞑った。
「………」
そして現在、休哥はこの額に汗する暑さにも関わらず、よく眠っている。薬は確かに効いたようで、その寝顔に最初浮かんでいた苦痛に耐える幽かな表情が、今は消えていた。楽になったようだ。
「………」
良かった、と想いながら、石幻果は手を動かす。
団扇で、眠るひとに微風を送り続けていた。海からの自然風が途絶えてから、もうずっと。
エアコンも一応あるのだが、しかし冷たいもので具合を悪くして寝ている人に、エアコンの不自然な冷気は禁物。
「……」
それこそ、額にいっぱいの汗を浮かべながら。
石幻果は、吹き込む風もばったりと絶えた猛暑のなか、病人の枕元に辛抱強く付き添った。
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