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閑話休題。
えと、連載しておりましたにょたな童貫元帥の話。
これでラスト! なのですが。
えと。
以前、この「onion plus」のsaki さまの設定をお借りして、女版童貫さまの話を書き始めたときに。―――童貫元帥が“戦”を選んだのと違って、この“童貫さま”は自分で選ぶものがない、だから、童貫さまは元帥と違って、決して幸せにはなれない気がする……といったようなことを、つらつら述べていたのですが。
何だか……この女版童貫さま、他の誰でも…畢勝でも楊令でも晁蓋殿でもない、“呉用センセ(女)”を選んでいるような気がしてきましたよ?
おまえは私が守る、というか。
私のことなど気にせずともよい、ただ、おまえが微笑っていてくれさえすればいいのだ、というか。
だいたい、自分、童貫元帥(男)を書くとき、何となく本質に中性的、いえ、女性的な側面があるのを念頭に置いていると思います。全身全霊を賭けて“男”たらんとする姿に、却って“女性”を感じてしまいますので。
ですが、そもそもが女性であるこの女版童貫さまを書いているとき、………何だか、中身が非常に男前に、なっているような気がします(汗。
女版の童貫様は、妙に(精神的に)凛々しくも雄々しい人だなあ、と。
狙ってそうした訳ではないのですが、何やら自然と……我ながら、頸を捻っていたり。
―――戦が終わって、何日目のことだろうか。
「……?」
枕元に気配にふと気づいて眼を醒ませば、童貫の眼前に、梁山泊軍師の呉用の貌があった。泣いている。―――いや、涙を流してはいないが、その一重瞼の大きな眼には、涙の雫が浮かんでいた。
「……ど、…した…?」
童貫は、問うた。
久々に出した声は、熱で灰色に掠れきっている。
「ちゃんと、何とか…、したろう…?」
戦の被害はやはり大きかったが、それでも勝ったのは梁山泊だ。
呉用は、泣かずとも良いはずだった。
なのに―――なぜか、泣いている。
「あれから、また何か…起きたか?」
童貫は、幾度も喉を詰まらせながら問うた。
目元の雫を掬ってやろうと、気だるく重い腕をあげ指を伸ばす。
「それとも…、」
「…………」
「それ、とも…晁蓋殿の容態でも、変っ―――」
「……っ」
その、瞬間。
鋭い破裂音がして、呉用の白い手が童貫の枕元に叩きつけられた。
「……ッ!!」
二度、三度……。
怪我人に手を上げることなど、出来ない。
しかし、……しかしッ!!
もどかしいような憤りを、叩きつける掌だった。
「…………」
童貫は、それをただぼんやりと眺めていた。
いったい何が彼女を泣かせているのだろう、と。熱に霞む頭のなかで、気遣わしく思いながら……。
※ 呉用センセは、童貫さまがかなりの怪我をして熱を出して。
※ それなのに、それを全然問題視していないことが悔しいんです。
※ 晁蓋殿といい貴方といい、自分の躰をいったい何だと思っているんですか!? って。
※ でも、童貫さまには伝わりません。
※ 女版の童貫さまの場合、きっと一生涯分からないんじゃないかな、と勝手に思っています。自分自身の大切さ、かけがえのなさなんて。
※ 自分で分かっていないから、呉用センセの心も当然伝わりません。
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