徒然種々
思いつくままに。
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連載しています、にょた童貫さまの、話の続きです!
ばきぃッ!!
鈍く、骨の蹴折られる音が響いて。
障害物に当たった馬は、そのまま進路を逸れて再び混戦のなかへ突っこんでいく。
―――後に残されたのは、
「…ったく、」
呆れたような、笑い。
「相変わらず、随分な無茶をなさる」
少女の如くほそやかな肢体の上に、半ば覆い被さるように。
肩幅広く胸板厚い屈強の肉体を乗せながら、苦笑している。
「豊美……」
男を見上げて、童貫は茫然として呟く。―――飛びついてきた男…豊美に体で庇われて、童貫は蹄によって些かも傷つけられていない。
逆に、
「折れた、かな?」
―――「かな?」ではない。
迫る馬の前脚を、思い切り払い除けた。
豊美の片腕は、見事にへし折れている様子だった。
骨格の支えを失った腕は自由を失ってだらりと垂れさがり、指先の色も変色している。早くも骨折の痛みによる生理的な汗で額を薄く濡らしながら、豊美は立ち上がった。
「なに、を……」
「別に俺は、貴方を殺したい訳じゃあないんですよ」
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