徒然種々
思いつくままに。
[395] [394] [393] [392] [391] [390] [389] [388] [387] [386] [384]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
下の話の、続きです。
あの、「たんぽぽと未完成道化師のうた。」のサイト様からイラストイメージをお借りして!
―――彼は、かわらない。
既に、戦うべき戦場も敵も存在していなくても。
老いの気配は、さすがに紛れなくとも。
それでも尚、彼は軍人(おとこ)としての闘争心を失ってはいない。
……頑なとも云えるし、ある意味での生臭さとも云えるかもしれない。
しかしやはり、それは彼の剛毅さと称するべきだろう。聳え立つ大樹を抉り倒す斧の、鈍く蒼く底光る刃を見るような気がする。人としてのつよさの一部を、揺らぎなく芯に備えた男だ。
ひるがえって、自分はどうだろうか?
休哥は、思う。
自分は変わった―――そんな気が、していた。
潅木の茂みに宿った、朝露。
木々の狭間から緩く射し込み始めた陽射しに温められ、微風に揺られて零れ落ち、額から頬へと滴り落ちてゆく。
それを、休哥はそのままに受け止めた。
「…………」
片腕が、無い。
だから、今の休哥はひとつの作業―――肌を滴る雫を拭うなど―――をするためには、他の作業を止めて片方しかない手を空けなくてはならなかった。
不便である。
PR
Comment
Trackback
TrackbackURL
カレンダー
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
ブログ内検索
アクセス解析