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心より御礼申し上げますです、はい! メチャクチャ嬉しいです!
―――という訳(?)で、下の連載の続きです。
いえ、本当に拍手のぽちっとひと押しは、心の栄養源です!
いただくと、エネルギーがばんばん湧いて来て妄想が(あくまで“妄想”が)もう止まりません!
昔から呉用自身、賢いくせに、女としての機微に怖ろしく疎いといわれ続けたものだが……その呉用から見ても、この童貫は女として初心すぎると思う。
若い女が、異性相手に一緒に寝ていいかと尋ねれば……それはもう、自分はそちらと男女の仲になりたいが良いか、という意味になるだろう、普通。
しかし、童貫はそんなことなど考えつきもしないらしい。通常とかけ離れた生活をしていたせいか、“後宮暮らし”という言葉からくる連想とは全く裏腹の純粋さだった。
―――いや、それともおかしな具合に擦れ過ぎているのか?
「それにしても遅いな、晁蓋殿は」
呉用の寝所は晁蓋の寝所…と当たり前に定義しているらしい童貫は、寝所のもう一人の主である晁蓋が、なかなか現れないことに改めて頸を左に傾け直して。
それから、思い出したように付け加える。
「晁蓋殿と今夜もするのなら、私はちょっと端に寄っているからな」
「…ッ!!」
“する”って、何を!?
「…!ッ、、!? …っっ!!」
「いや、一緒に寝たいとは言ったが、別に何も一晩、最初から最後までくっついていたいという訳では―――」
思わず絶句して、頬を熟れた李のように真っ赤に染める。
呉用を何と思ったのか、童貫は真面目な貌で「したいことは私を気にせずしてくれ」と更に言い募るが。
「しません! 今夜は“何”も!」
「そうなのか? …なぜ?」
何故も何も、他人の眼のあるところでそんなこと出来る訳がない…っ!
―――とは、呉用は云わない。童貫の暮らしていた後宮が、ある意味衆人環視の中でことを行う場所であることを呉用も知っていた―――否応なく教えられて、いたから。
だから、
「別に毎晩毎晩する訳ではないんです! そもそも、私たち毎晩一緒に寝ているわけでもないですし! ―――そのッ…、…お気に、なさらず」
とだけ、ようやく云った。
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